「おおらかに、おおらかに」般若心経解説!②

お金や物にしても、持てば持つほど、失う恐れや苦しみを味わうことを知っています。
つまり、自らの欲望や執着心を捨てれば、恐れる事も苦しむ事もなくなるのです。
おごりの心を捨て、自分の無力さを認め、そのうえで今日この場所で、できる限り努力して生きていけば、誰だって菩薩様になれます。

赤ちゃんにとって母親は菩薩さまだし、その人がそこにいるだけで、周りの人の心が穏やかになる。そんな人も菩薩さまです。

そして、もう一つ大切なことは、偏見(へんけん)を捨て「あるがままに生きていくこと」なんだよ。
親じゃなかったら、大切にしないの。恋人じゃなかったら優しくしないの。この関係が人を迷いの世界や苦しみの世界に落としているんだよ。この世界をあるがままの状態で正しく見つめ、あるがままに生きることが、心静かに暮らすことにつながるんだ。親も子も恋人もない。仕事もお金も地位もない。すべて「空」幻だって心で悟ることなんだよ。

この心静かな境地に立つことができれば、わずらわしい人間社会の中で、大事な個性を埋没させたまま生きることなど、なくなるはずだよ。